地域まるごといきいきブログ

宮部みゆき 杉村三郎シリーズ

「火車」など多数の著書がある宮部みゆきの杉村三郎シリーズが好きだ。

財界の大物の娘婿となり、義父のコンツェルンの広報室に勤務することとなった杉村は、

自転車ひき逃げ事件(誰かsomebody)、青酸カリ殺人と人質立てこもり事件(名もなき毒)、

バスハイジャック事件(ペテロの葬列)と次々と事件に巻き込まれる。

2度目のバスハイジャック後、妻と離婚。仕事を失った杉村は実家に帰郷した折り、

失踪事件にかかわったこと(希望荘)を契機に、知り合いだった故人のあとを継いで探偵事務所を開設し、

探偵業を本格的に開始する(昨日がなければ明日もない)。

杉村三郎シリーズの魅力は、複雑化する人間関係、拝金主義、ネット社会など社会のゆがみが生み出す様々な悪を、

権力を持った警察ではなく、性格が温厚で茫洋な感じの主人公が人間のなかに分け入って真実を明らかにしていくところにある。次回作も期待される。