地域まるごといきいきブログ

連載企画「たかさんの独り言じゃけ」Vol.8 2020年2月27日

中島みゆきは「中島みゆきという作り方」という糸井重里との対談で、自分の曲をどう解釈するかは、聞き手のみなさんにおまかせしているというようなことを言っていた。
近年の中島みゆきの詞の表現方法の特徴のひとつには2つの対極にある言葉を重ねて、曲の主題に迫るというものが多いように思う。

例えば、『愛だけを残せ』
「弱き者汝の名を名乗れ しなやかに
強き者汝の名を名乗れ ささやかに
みんな儚くて、みんな愛しくて
振りかえてしまうから 愛だけを残せ…」

『一期一会』
「急いで道をゆく人もあり
泣き泣き道をゆく人も
忘れないよ遠く離れても 短い日々も浅い縁(えにし)も
忘れないで私のことより あなたの笑顔忘れないで」

最新作のひとつ 『離郷のうた』も
「離れざるをえず離れたものたち
残さざるをえず残したものたち
屋根打つ雨よりも 胸打つあの歌は
二度とは戻らない 宙(そら)の流れ」

2つの重なり合う言葉が、弁証法的(対立物の統一)に、テーマに昇華されるかのようなすばらしさ。勝手な解釈だが、魅せられている。

「たかさんの独り言じゃけ」Vol.7 2020年2月13日
映画「パラサイト」を観て