理事長あいさつ

ご挨拶

坂本 裕

 1960年代半ば、市街化の進展と人口急増が始まった安佐地域で起こった住民本位の医療機関を求める切実な声は、運動に発展し、1966年秋に安佐診療所の実現、さらに広島医療生協創立につながりました。以来、苦難や失敗とそれを乗り越える喜びの連続で、50年を超える生協発展の歴史がつくられてきました。

 「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と前文にうたう憲法そのものに危機が訪れ、軍事優先と社会保障の軽視・貧弱化が進みつつあるように見えます。「恐怖と欠乏」の復活がとても心配です。国の社会保障のさらなる後退は、わたしたちの困難に追討ちをかける厳しい逆風です。

 広島医療生協は、かなりの重荷を背負いながら山を登っている姿と重なりますが、わたしたちが持っている底力を発揮することでこの厳しさは十分に乗り越えられると思います。4万5千人を超える組合員と14億円近い出資金があり、各事業所の各分野で活躍する800人の職員組合員・専門家集団がいます。全国の医療福祉生協連合会の仲間、全日本民医連の仲間があります。生協創設以来半世紀、幾多の試練を乗り越えてきた歴史があります。

 こういう厳しいときだからこそ、まずは学ぶことが重要と思います。一斉に迫ってくるように見えるいろんな課題も、学ぶことによって、きれいに整列してくれるでしょう。生協とは?出資金とは?など、基本的なところから、もういちど押さえてみましょう。

広島医療生活協同組合 代表理事理事長

坂本 裕